かく言う私もその一人。
もしかしたら「特攻の拓(ぶっこみのたく)」のことを知らないって人もいるかも知れないので一言で説明すると、暴走族がスピードの向こう側を目指す物語。絵に描いたようなヤンキーや改造バイク(漫画だから実際に絵に描いてあるんだが)がたくさん出て来て、社会のモラルやルールを破って周りに迷惑をかけまくる青春漫画。
とは言え、私は別にロケットカウルや三段シートや竹槍マフラーでバイクをオシャレにカスタマイズしたいわけではない。
喧嘩に明け暮れたことのないバイオレンスとは無縁の学生時代を過ごしたし、安全運転がモットーでスピードの向こう側を目指したこともない。
過去に一度だけバイクを運転中に車に突っ込まれて、ハードラックとダンスっちまったことはある。
話はそれたが、私は特攻の拓に出てくる横浜の暴走族、「獏羅天(ばくらてん)」の竜神こと「天羽時貞(あもうときさだ)」の「悪魔の鉄槌(ルシファーズハンマー)」に憧れてバイクの免許を取ることを決めた。
免許を取ったら絶対に「SR400」(ルシファーズハンマーはSR400を改造したもの)に乗ると決め、仕事を始めてしばらくしてから自動車学校に通い、ついに念願のバイクの免許を取った。
そして、結局今「PCX125」に乗っている。
あんなに憧れた天羽時貞の悪魔の鉄槌とは真逆の、通勤・通学に適した利便性の高い人気スクーター「PCX125」(原付二種)。
優れた燃費性能と静音性、荷物を座席下に収納でき、税金や保険等の維持費も安い。圧倒的な利便性の前に夢は敵わなかった。
私は夢を諦め、現実を選んだ。
ちなみに、長男が産まれる時に「時貞」と名前を付けようとしたがそれも妻に却下された。
